星めぐりの道具箱

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赤道儀プラットホームの改造

赤道儀プラットホームですが使ってみると赤緯のずれが大きく、緯度の設定がずれているように感じました。回転中心の位置を概略確認すると緯度が45°~50°位に対応? 北側のセグメントの形状を変えれば藤沢市の緯度35°に対応できそうなので改造することにしました。このプラットホームの北側セグメントは垂直方向の荷重を受ける構造になっていてネットで調べるとVNS (Vertical North Segments) )と呼ばれるタイプです。セグメントの形状ですが極軸を中心に回る円弧を地面に垂直方向の2次元の形状(R726mm程度に曲がっています)に展開する必要があります。

南側支持点と北側の東西のローラー間の寸法を測り、これを元に35°傾いた円弧の半径を決定しました。図の寸法を元に計算すると半径Rは491.2mmになりました。3次元作図ソフトを使うと正確な形状を作れると思いますが、セグメントの形状はR491.2mmの円弧を斜めに投影した楕円になると考え、パソコンを使って楕円を作図してテンプレートを作りこれを写して合板で作りました。

 

厚さ5.5mmのシナ合板2枚を貼り合わせて作りました。蒸し器で蒸気を当てて湿らせ元のアルミ合金製のセグメントに当てて曲げました(蒸しすぎると合板の接着層が剥がれてきます)。

その後2枚を接着、塗装して完成です。元のものに比べてRは小さくなっています。

木製ですが、ウレタンローラーとの相性は滑りがなく良好です。追尾の赤緯のずれは少し改善されましたがまだ残っています。極軸合わせを正確にはしていないのでもう少し検討します。ローラーに垂直に負荷がかかる点は有利ですがVNSタイプはセグメント形状が複雑なので単純な円弧状セグメントのタイプに比べ追尾精度を出すのが難しそうです。