星めぐりの道具箱

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赤道儀プラットホームの修正

昨年の12月に赤道儀プラットホームの北側セグメントを改造する記事を書きました。その後、惑星の追尾に使用していますが赤緯のずれが大きすぎます。原因がよくわからなかったのですが、寸法の間違いに気が付いたのでセグメント形状を再修正しました。

もう一度当初の構想図を以下に載せます。

セグメントの形状は楕円の一部で東西のローラーで荷重を受けます。ローラーがセグメントの楕円に接する位置を楕円のセンターから636mm/2と単純に考えて形状を決めていましたがよく考えてみたら、セグメント形状がCOSで割った値で横に伸びているのにローラーの当たるセグメントのセンター位置がそのままの636mm/2ではおかしいと気が付きました。下図のようにこれをCOS25.98°で割った値(707.5mm/2)にするとカーブが急峻になってきます(下のテンプレートの写真参照)。

本来はCOS25.98°の値も上図のように楕円の接線の傾き角度からとるのが正確かもしれません。ここは円の接線の傾きで計算しました。

気になったのでセグメントの取り付けの角度が楕円と円の場合で差があるのか作図で確認してみました。

中心から636/2mmの位置で楕円と円を重ねてみると±50mmでは楕円と円はその端で1mm程度のずれ量です。大丈夫そうです。

 

セグメントのテンプレートを作りカーブを写します。

鋸で余分な部分をカットします。

ローラーの当たり面が平らになるように2枚を組み合わせて同時にヤスリで仕上げました。

マスキングテープで1cm間隔の目盛をつけてみました。幅約10cm(時間にして45分くらい)の可動範囲です。赤緯の移動が実際にどの程度抑えられるかはまだ確認していません。

赤道儀プラットホーム(equatorial platform)については以下のサイトの記事がとても参考になりました。Reiner Vogel 氏の「telescopes and deep sky」というサイトの中にあるequatorial platformの記事です。この中にVNS (Vertical North Segments) platformsの解説があります。VNSタイプはローラーに荷重が垂直にかかるので安定した駆動ができますが、セグメントの形状を決めるために傾いた円弧の軌道を平面(ダ円筒面)に展開する必要があります。この関係を理解するのが難しかったです。円弧が平面への展開では楕円になりますが3次元の軌跡としては円弧なので加工精度にもよりますがモーターのスピードは、凡そ定速で大丈夫と思います。(12月14日追記)