星めぐりの道具箱

望遠鏡作り、双眼鏡、惑星撮影など

2024/01/30 木星

久しぶりで木星を撮りました。夕方既に南中に近く高度が高いです。Windyでは少し良さそうに思いましたが眼視では縞が二本しか見えません。パソコン画面でピントの山がつかめません。冬のボケボケの気流、雲の合間の撮影でした。

2024-01-30-0922_4 (UT)       Seeing: 2/10   Trans: 4/5              

450mm  f4.5  fl 2040mm(80.3”) Newtonian (Dobsonian) 5x Powermate  ZWO ASI585MC   (with Baader UV/ IR cut filter, ADC)   7.6 ms, 60sec x4, 50% frames stack  (derotation 4 images)  

 

動画で見る気流の状態です。

容量が50MBあり少し時間がかかります。

 

比較のため昨年夏、8月26日の24インチ望遠鏡での木星です。こんな気流が待ちどうしいです。

容量が50MBあり少し時間がかかります。

 

赤道儀プラットホームの追尾確認

明けましておめでとうございます。赤道儀プラットホームの追尾の確認ですが、元旦の夜に18インチ望遠鏡で行いました。やはり24インチと比べると組み立てが楽です。赤緯の微動も使えるようにしました。約1分の動画撮影ですが赤緯のずれはセグメントの改造前より格段に少なくなりました。

現状の追尾可能時間は45分程度です。セグメントの円弧部分を長くすると1時間程度は可能ですが高さが必要になるのと作り直しになるのでこのまま使いたいと思います。

Jupiter  2024-01-01-1252_1 (UT)       Seeing: 4/10   Trans: 4/5              CMⅠ 170.8°  CM II  222.3°  CM III 275.7°

450mm  f4.5  fl 2040mm(80.3”) Newtonian (Dobsonian) 5x Powermate  ZWO ASI585MC   (with Baader UV/ IR cut filter, ADC)   6.4 ms, 60sec x8, 30% frames stack  (derotation 8 images)    

元旦の夜の木星です。この季節にしては気流が落ち着いていました(夏のようではありません)。眼視でΦ300mmの偏心絞りを付けて見ましたが効果がなく、Φ450mmで撮りました。

ドブソニアンは米国発祥なので口径の表記をインチ(主鏡の外径)で書いてきましたが、外部への投稿では有効径での表記が必要と思い、データを有効径(mm)で表記することにしました。

 

赤道儀プラットホームの修正

昨年の12月に赤道儀プラットホームの北側セグメントを改造する記事を書きました。その後、惑星の追尾に使用していますが赤緯のずれが大きすぎます。原因がよくわからなかったのですが、寸法の間違いに気が付いたのでセグメント形状を再修正しました。

もう一度当初の構想図を以下に載せます。

セグメントの形状は楕円の一部で東西のローラーで荷重を受けます。ローラーがセグメントの楕円に接する位置を楕円のセンターから636mm/2と単純に考えて形状を決めていましたがよく考えてみたら、セグメント形状がCOSで割った値で横に伸びているのにローラーの当たるセグメントのセンター位置がそのままの636mm/2ではおかしいと気が付きました。下図のようにこれをCOS25.98°で割った値(707.5mm/2)にするとカーブが急峻になってきます(下のテンプレートの写真参照)。

本来はCOS25.98°の値も上図のように楕円の接線の傾き角度からとるのが正確かもしれません。ここは円の接線の傾きで計算しました。

気になったのでセグメントの取り付けの角度が楕円と円の場合で差があるのか作図で確認してみました。

中心から636/2mmの位置で楕円と円を重ねてみると±50mmでは楕円と円はその端で1mm程度のずれ量です。大丈夫そうです。

 

セグメントのテンプレートを作りカーブを写します。

鋸で余分な部分をカットします。

ローラーの当たり面が平らになるように2枚を組み合わせて同時にヤスリで仕上げました。

マスキングテープで1cm間隔の目盛をつけてみました。幅約10cm(時間にして45分くらい)の可動範囲です。赤緯の移動が実際にどの程度抑えられるかはまだ確認していません。

赤道儀プラットホーム(equatorial platform)については以下のサイトの記事がとても参考になりました。Reiner Vogel 氏の「telescopes and deep sky」というサイトの中にあるequatorial platformの記事です。この中にVNS (Vertical North Segments) platformsの解説があります。VNSタイプはローラーに荷重が垂直にかかるので安定した駆動ができますが、セグメントの形状を決めるために傾いた円弧の軌道を平面(ダ円筒面)に展開する必要があります。この関係を理解するのが難しかったです。円弧が平面への展開では楕円になりますが3次元の軌跡としては円弧なので加工精度にもよりますがモーターのスピードは、凡そ定速で大丈夫と思います。(12月14日追記)

 

 

 

2023/10/30~11/3 土星と木星、絞りの効果

10月30日から11月3日まで晴れの暖かい日が続きました。気流の状態は夏のように安定していませんが、衝に近い木星を撮影できました。視直径49秒ほどの大きな木星が見られます。大気の状態によっては、位相の揃った光束のスケールは20cm程度で小口径のほうが良く見える場合もあると言われています。望遠鏡の絞りはΦ45cm(偏心なし)、Φ32cm(偏心なし)の絞りも作ってみましたがΦ25cm偏心絞りのほうがシャープでした。11月3日には少しでも明るくしたく、Φ30cm偏心絞りを作ってみました。こちらはΦ25cmより少し明るく良い感じです。

Jupiter  2023-10-30-1502_2 (UT)    Seeing: 6/10   Trans:4/5     CMⅠ 20.0°  CM II  191.5°  CM III 228.2°

24” (610mm)  f4 Newtonian (Dobsonian) with off axis aperture mask (Φ250mm) 5x Powermate  ZWO ASI585MC   (with Baader UV/ IR cut filter, ADC)     26.1 ms, 60sec x5, 50% frames stack  (derotation 5 images)    

 

Jupiter  2023-10-31-1455_8 (UT)        Seeing: 6/10   Trans:4/5     CMⅠ 174.1°  CM II  338.0°  CM III 15.0°

24” (610mm)  f4 Newtonian (Dobsonian) with off axis aperture mask (Φ250mm) 5x Powermate  ZWO ASI585MC   (with Baader UV/ IR cut filter, ADC)     26.1 ms, 60sec x4, 50% frames stack  (derotation 4 images)  

 

Jupiter  2023-10-31-1607_7 (UT)    Seeing: 6/10   Trans:4/5     CMⅠ 218.0°  CM II  21.5°  CM III 58.5°

24” (610mm)  f4 Newtonian (Dobsonian) with off axis aperture mask (Φ250mm) 5x Powermate  ZWO ASI585MC   (with Baader UV/ IR cut filter, ADC)     26.1 ms, 60sec x5, 50% frames stack  (derotation 5 images)

 

Jupiter  2023-11-01-1311_5 (UT)     Seeing: 6/10   Trans:4/5     CMⅠ 268.6°  CM II  65.4°  CM III 102.6°

24” (610mm)  f4 Newtonian (Dobsonian) with off axis aperture mask (Φ250mm) 5x Powermate  ZWO ASI585MC   (with Baader UV/ IR cut filter, ADC)     26.1 ms, 60sec x4, 50% frames stack  (derotation 4 images)

 

Saturn    2023-11-02-1151_4 (UT)  Seeing: 6/10   Trans:3/5       CM I  149.4°   CM II  345.1°   CM III  219.0° 

24” (610mm) f4 Newtonian (Dobsonian) with off axis aperture mask (Φ250mm) 5x Powermate ZWO ASI585MC  ADC  (with Baader UV/ IR cut filter)  30.8ms, 60sec x4, 50%frames stack (derotation 4 images)

 

Jupiter  2023-11-02-1322_9 (UT)      Seeing: 6/10   Trans: 3/5     CMⅠ 73.6°  CM II  222.7°  CM III 260.2°

24” (610mm)  f4 Newtonian (Dobsonian) with off axis aperture mask (Φ250mm) 5x Powermate  ZWO ASI585MC   (with Baader UV/ IR cut filter, ADC)     26.1 ms, 60sec x4, 50% frames stack  (derotation 4 images) 

 

Jupiter  2023-11-03-1404_5 (UT)    Seeing: 6/10   Trans: 3/5     CMⅠ 257.0°  CM II  38.3°  CM III 76.0°

24” (610mm)  f4 Newtonian (Dobsonian) with off axis aperture mask (Φ300mm) 5x Powermate  ZWO ASI585MC   (with Baader UV/ IR cut filter, ADC)     21.3 ms, 60sec x3, 50% frames stack  (derotation 3 images)

この日一番シャープに撮れた画像、衛星ガニメデとその影が木星面を経過しています。Φ30cm偏心絞りを使っています。

 

Φ30cm偏心絞りは画材屋で求めた黒い紙を切り抜いて作りました。

副鏡の一部とスパイダーは絞りにかかっています。

 

経過の様子を以下のgif画像にまとめました。初めは気流は良くありませんでした。

 

2023/10/25 木星、偏心絞りの効果

秋になり夏のような安定した気流ではありません。24インチドブソニアンで撮った木星もボヤボヤです。しかし同じ神奈川で30cm口径で高解像の画像を撮っている方もいます。なんとか改善できないかと偏心絞りを黒い紙で作ってみました。まず月を覗いてみましたが、像のブレが少なくなっています。そのあと木星を撮ったところ効果がありました。シーイングによっては小口径のほうが高解像になることを確認できました。

 

黒い紙でΦ250mmの偏心絞りを作りました。

 

偏心絞りを取り付けて撮影しました。衛星イオとその影が木星面を経過しています。

Jupiter  2023-10-25-1359_2 (UT)     Seeing: 6/10   Trans:4/5     CMⅠ 271.4°  CM II  121.4°  CM III 156.7°

24” (610mm)  f4 Newtonian (Dobsonian) with off axis aperture mask (Φ250mm) 5x Powermate  ZWO ASI585MC   (with Baader UV/ IR cut filter, ADC)     24.9 ms, 60sec x4, 50% frames stack  (derotation 4 images)      

 

偏心絞りを使用せずに撮った画像、イオの影はぼやけて、その本体は確認できません。

Jupiter  2023-10-25-1417_0 (UT)    CMⅠ 282.2°  CM II  132.1°  CM III 167.5°

24” (610mm)  f4 Newtonian (Dobsonian) 5x Powermate  ZWO ASI585MC   (with Baader UV/ IR cut filter, ADC)     4.3 ms, 60sec x4, 50% frames stack  (derotation 4 images)  

 

2023/10/16  土星、2023/10/17 木星

10月16日~17日の夜には木星の衛星ガニメデの掩蔽現象が見られるので期待しましたが、ボヤボヤの画像しか撮れませんでした。風も無く透明度は良かったので明け方まで頑張ってしまいました。

神奈川県内の近くの方は良い画像を撮られていたのでボヤボヤの気流の原因?、主鏡の温度順応?

Saturn    2023-10-16-1230_4 (UT)  Seeing: 5/10   Trans:5/5                                                

24” (610mm) f4 Newtonian (Dobsonian)  5x Powermate ZWO ASI585MC  ADC  (with Baader UV/ IR cut filter)  14.1 ms, 60sec x8, 30%frames stack (derotation 8 images)  

 

Jupiter  2023-10-16-1750_6 (UT)  、         2023-10-16-1848_1 (UT)  

2023-10-16-1905_2 (UT)
 Seeing: 5/10   Trans:5/5  

24” (610mm)  f4 Newtonian (Dobsonian)  5x Powermate  ZWO ASI585MC   (with Baader UV/ IR cut filter, ADC)   4.0 ms, 60sec, 50% frames stack  

ガニメデが木星本体に掩蔽されイオとその影が大赤斑の上を経過しています。

2023/9/25 土星、木星

まだ夏の安定した気流が残っていないかと期待して望遠鏡を組み立てました。眼視でカシニの間隙は見えますがボケボケの気流でした。

Saturn    2023-09-25-1348_9 (UT)  Seeing: 3/10   Trans:3/5                                              CM I  176.0°   CM II  156.4°   CM III  76.0°     

24” (610mm) f4 Newtonian (Dobsonian)  5x Powermate ZWO ASI585MC  ADC  (with Baader UV/ IR cut filter)  11.7 ms, 60sec x4, 50%frames stack (derotation 4 images)  

 

高度が高い木星に期待しましたがこちらもボケボケの気流でした。北風もあってパソコンモニター上の木星も踊っていました。

Jupiter  2023-09-25-1535_5 (UT)      Seeing: 3/10   Trans:3/5    

CMⅠ 269.2°  CM II  347.6°  CM III 15.0°

24” (610mm)  f4 Newtonian (Dobsonian)  5x Powermate  ZWO ASI585MC   (with Baader UV/ IR cut filter, ADC)   4.7 ms, 60sec x4, 50% frames stack  (derotation 4 images)