星めぐりの道具箱

望遠鏡作り、双眼鏡、惑星撮影など

2026/10/8~10/10の土星

この9月は長く曇り空か雨が続きました。それが10月に入って晴れる日が続いています。夏のような良い気流は期待できませんが土星を撮りました。環の傾きがスポークを観察し易い角度のようで頻繁にスポークが出ています。eADCをやっと使えるようになりました。プリズム角度の調整が自動なのでありがたいです。

10月8日夜の土星、B環にスポーク(放射状の模様)が見えています。土星の環の地球に対する角度の関係もあって、今年はよく発生しています。B環の自転周期は内側ほど短く、外側にいくほど長くなり6~8時間程度なので10分程度の間隔でも移動がわかります。

10月9日夜の土星、友人からの借り物ですが、拡大光学系にパワーメイト4倍を使ってみました。拡大率は下がりますが露出を短くできるのが効果があるのか、5倍よりも気持ち高解像に撮れました。当夜の気流ではピントの山をつかみにくかったのですが、気流がもう少し安定している場合にも比較してみたいところです。この夜もスポークを撮ることができました。

同時刻のWinJUPOSの画像と比較すると土星本体の南側に白斑があるようです。衛星レアとテチィス、ディオーネが写りました。

jif画像にしましたがスポークの動きがわかります。

同上スポークの展開図

 

 

10月10日夜の土星、気流が少し劣化しました。

 

eADC

この夏、惑星の拡大撮影用にSunobserver社のeADCを購入しました。昨年秋の月惑星研究会の例会で紹介のあったものです。これまでZWO社のADCを使用してきましたがプリズム角度の調整は凡そこのくらいの角度かなという具合で行ってきました。eADCは本体にセンサーが入っていて、一度プリズムの角度を設定するとあとは望遠鏡の高度角に応じて自動でプリズム角度を調整してくれるというものです。さらにプリズムが4枚構成になって光学性能が向上しています。

購入はAliExpressのサイトから行いました。海外なので円安が厳しいです。最安値だったXuanhao Star Official Storeから購入、10日ほどで届きました。パッケージに入っていたのは写真の品物です。使用説明書、ドライバー、パソコンソフトはメーカーのサイトからダウンロードできました。

取り付けの際に必要なADCプリズム部の厚さは28mmほどでZWO製のものと凡そ同じです。

操作ソフトを使いパソコン画面から使う場合には必要ありませんがマニュアルで使う場合にはこの表示部を見て金色のノブを使って大気分散の補正量、ニュートン反射式への設定を行います。夜間に脚立に上がってのプリズム補正量の調整は厳しく、表示文字が小さいのでパソコン画面での操作が使いやすいです。

パソコン画面からの操作はパソコン用制御ソフトと通信ドライバーをパソコンにインストールしてUSB接続して行います。ポート設定とモード設定(ニュートン反射用にはMode1を選ぶ)を行いFIreCapture画面でADC調整画面にして大気分散の補正量を調整してセットします。補正量は拡大倍率により違ってくるのでFIreCapture画面を見ながらセットしました。あとは自動で動いてくれるのでありがたいです。パソコンソフトには水平チルト調整もあります。プリズム基準位置のずれ補正ですが、0にして使っていません。電源はパソコンからの5V、USB給電です。

パワーメイト5倍を接続した場合。

eADCのねじ接続部ですが、M42ねじの取り付け部深さが4mmほどでパワーメイト5倍のM42ねじ長さは胴付きから5.5mmくらいあります。胴付きで当たるように1mm厚のポリプロピレンシートをサークルカッターで切り抜いてスペーサーを2枚作り間に挟んで取り付けました。

 

胎内星まつり 2026

胎内星まつりが開催されました。昨年は行けませんでしたが、展示説明のお手伝いもあって8月28日~8月29日に行ってきました。昨年は快晴だったそうですが、今回は星空を見ることはできず、土曜日は小雨もあって肌寒いくらいのお天気でした。

お天気が良くないので奥のテントエリアで自作望遠鏡を見られなかったのは残念。

 

高橋製作所からは、天頂プリズムによる収差補正光学系と従来のTOEより広視界でアイレリーフも増した短焦点距離アイピースが出品されていました。

 

五藤テレスコープの大型赤道儀、シンプルで美しい。ドブソニアンで惑星撮影しているので縁がありませんがいいですね。以前はウォームギア減速機が主流でしたが、最近はハーモニックドライブ減速機を使った赤道儀がほとんどです。

外山電子で展示されていたハーモニックドライブの説明模型とハーモニックドライブ赤道儀の分解品、外山氏によるとこの説明模型は3Dプリンターで製作とのことです。

外山電子で展示されていた63.5cm f5馬蹄型フォーク赤道儀、いつも来られていると思いますが、自動導入、オートガイドとあり、あとで説明書きみたらトップリング伸縮式ピント調節とあってすごい。

土星の画像の説明いただきました。サイトロンのノマド-4を使い拡大撮影とのこと。すばらしいです。

 

ドブソニアン好きとしてはつい目がいってしまいます。購入はしていません。

 

ビノテクノのブース、双眼鏡・望遠鏡サミット、双望会から続く双眼望遠鏡作りです。

 

 

福島の星の村天文台からはジオード(水晶を内部に含む石)割り体験が出展されていました。

 

天文ショップ、グラビティからは多くの中国製のパーツが出展されていました。接眼部は精度感あります。三角形の赤いものはスケアリングとフォーカス調整用。2重の副鏡支持スパイダー、なぜ二重が良いのか気になりました。星野写真を撮る際に光条がより細く高コントラストに撮れる効果があるそうです。

ToupTekの製品が展示されていました。惑星用カメラもあります。

 

日本望遠鏡工業会、会場でブース展示の無い興和の新製品、フジノン双眼鏡の展示、お子さんへのプリズムのプレゼントも行いました。

 

24インチドブで土星の撮影

気流も安定してきたので24インチドブで土星の撮影しました。昨年は環が細かったですが、今年の土星は環が開いてきて土星らしく見えます。

7月20日は夜中に起きて撮りましたが4箇所ある主鏡の抜け止めが主鏡周縁に当たっていたようで画像処理したら環が微妙に変です。24インチドブでは一年ぶり近い撮影、難しいです。

 

翌日、抜け止めの当たりを直してまた撮影したのですが、さらに悪化してしまいました。原因は主鏡の27点フローティング支持構造、27点を3分割して各9点3箇所を支持する構造です。ここを自在に支持する球面座を上下するナットが固く締まってしまい9点が固まっていました。

 

その後抜け止めの当たりと球面座を調整し直し、お天気が安定した8月19日の明け方に撮影できました。なぜかFPSが上がらず15程度でしたが気流が良かったので高解像になりました。スポークも撮れたので展開図を載せました。

 

翌日は寝坊してしまい薄明近くなりました。気流は昨日のほうが良かったです。

 

2026/7/9~7/10 今年初めての土星撮影

夏も近づいてきたのか気流が落ち着きそうなお天気になったので夜明けに起きて東南の空の土星を撮りました。今回は18インチドブです。7/9に撮りましたが、主鏡を固定するための押さえねじを締めつけていたままだったので歪んだ像になってしまいました。7/10には押さえねじを緩めてきれいに撮れました。

7/10の土星、もう明け方で空が少し明るくなっていました。眼視400倍ではエンケ間隙やスポークは見えません。画像処理で出てきました。

 

もう少し前から撮れるとよかったですが、gif画像でスポークの移動がわかります。

 

前日の7月9日の明け方に撮った画像、主鏡が歪んでいて失敗。眼視やモニターではそこそこ見えていたので気が付きませんでした。

 

18インチドブの主鏡支持構造ですが裏面から18点で押さえています。上から幅40mmのナイロンベルトで吊っており、左右の側面からアジャスターボルトでベルトの上から軽く押さえる構造です。組み立て運搬時には主鏡のガタつきのないように押さえているのですが、緩めるのを忘れていました。精密な鏡は豆腐のようなものと言われますが、微妙な圧迫が影響します。

主鏡の抜け止めは120°間隔で3か所、側面の押さえは左右2箇所です。

 

 

側面の押さえ、アジャスターボルト  ベルトの吊り位置調整ねじ

 

18点支持構造と光軸調整ねじ(3ヶ所)

 

木星会議、多賀大社

7月4日(土)~7月5日(日)に滋賀県のダイニックアストロパーク天究館で月惑星研究会・東亜天文学会主催の木星会議が行われ初めて参加しました。お世話いただいた関西支部の方々、天究館の方々に感謝いたします。生憎の雨模様でしたが会う機会の少ない方々との交流を深めることができました。当日は午後から研究発表があり、米原までは新幹線、乗り換えて彦根に着き、彦根駅西口まで迎えにきてくださった車で天究館に向かいました。

公共のバス便もありますがバス停からこの坂を登らないといけません。

参加者自己紹介の後は木星の近況説明があり、その後館内の見学もできました。

60cm望遠鏡の入っているドーム、

西村製作所製ニュートン/カセグレン焦点併用60cm反射望遠鏡、主鏡は苗村敬夫氏により研磨されたもの。

館内に展示されていた60cm主鏡のカセグレン焦点用の中心穴を抜いた際のガラス塊、主鏡外径621.5mm、厚さ90mm、焦点距離2997mmとあります。

木辺茂麿氏製作(マウントは西村製作所製)の31cm反射望遠鏡、すばらしい惑星像とのことです。現役で使われているそうです。

この望遠鏡の仕様ですが、木辺茂麿著「反射望遠鏡の作り方」の古い版に記載がありました。

カセ・ニュートン式で主鏡は口径31cm、焦点距離227cm(F7.3)、凸鏡は2面作られてこれを付加した場合の合成焦点距離は12.4m(引き伸ばし5.5倍)と21.6m(引き伸ばし9.5倍)とあります。鏡筒にある主鏡の蓋の近くにある穴はカセグレン焦点を側面に引き出し接眼部を取り付けるための穴のようです。

 

翌朝は館内が停電するとのことで早起きしたこともあって、近くの多賀大社にお参りに行きました。徒歩で20分ほどです。

多賀大社は古事記に出てくるそうで1300年前からの歴史があります。

境内全体図

石造りの古い橋があります。重機の無い時代にどうやって作ったのか?

多賀大社拝殿

 

翌日の発表は近くの多賀町立博物館(あけぼのパーク多賀)で行われました。

あけぼの象の化石が展示されています。多賀町では状態の良い骨が多く出土しており、約200万年前には日本にも象が生息していたとは知りませんでした。

今年前半の木星

ブログ更新と思いながら、あっという間に半年過ぎてしまいました。今年は気流の良い日が少なくほとんど撮影できませんでした。木星の合は7月29日、もうすぐです。次に撮影できるのは9月下旬でしょうか。全て18インチドブで撮っています。   

      

        1月17日 、45cmを30cmに絞ってもダメでした

 

         

             3月14日、高度は天頂近いのですが気流は良くありません

  

       

   5月12日、衛星ガニメデとエウロパ、大赤斑が少し顔を出してます。

 

     

5月25日、木星が西に傾いてきて鏡筒がベランダの手摺に当たりそうになってきました。18インチの主鏡を5月10日に清掃したので少し明るくなったかも。