8月の土星
8月はジェット気流が北に上がり気流が安定することが多いのですが、良い気流に恵まれませんでした。猛暑と薄雲がかかることが多く不安定なお天気が多かったです。

2025-08-17 (yyyy-mm-dd), 18:50.1 UT CM I 302.9° CM II 244.9° CM III 49.6° Seeing: 7/10 Trans:1/5
24” f4 Newtonian (Dobsonian) 5x Powermate ZWO ASI585MC ADC (with Baader UV/ IR cut filter) 22.5ms, 60sec x4 50%frames stack (derotation 4 images)
土星本体を衛星Rheaが経過しており、その影が黒い点になっています。

2025-08-24 (yyyy-mm-dd), 14:53.7 UT CM I 315.0° CM II 36.2° CM III 192.7° Seeing: 5/10 Trans:1/5
24” f4 Newtonian (Dobsonian) 5x Powermate ZWO ASI585MC ADC (with Baader UV/ IR cut filter) 21.3ms, 60sec x4 50%frames stack (derotation 4 images)

2025-08-30 (yyyy-mm-dd), 14:26.7 UT CM I 325.5° CM II 213.5° CM III 2.8° Seeing: 5/10 Trans:2/5
24” f4 Newtonian (Dobsonian) 5x Powermate ZWO ASI585MC ADC (with Baader UV/ IR cut filter) 19.5ms, 60sec x6 30%frames stack (derotation 6 images)
本体左側の淡い2箇所の白点は上側が衛星Tethys、下側が衛星Dione。環が少し明るくなってきました。
12.5インチドブソニアン作りと主鏡支持の検討
惑星撮影には安定した気流が大切です。神奈川での気流ですが、24インチ口径の能力を発揮できるのは初夏から秋口までに限られます。さらに24インチは組み立て、分解撤収にもけっこう時間と体に負担がかかります。そんなこともあって以前から準備はしていたのですが、運搬や組み立ての楽な12.5インチドブソニアンを作ることにしました。
仕様としては既に主鏡、副鏡を準備している、口径12.5インチ(外径317.5mm)、口径比F5(脚立のいらない接眼部高さ)、焦点距離62.5インチ(1587.5mm)とします。主鏡は24インチの主鏡の後にZambuto Optical Companyに発注したもの、副鏡は同時に手配したAntares Optics製の短径2.14インチ(54.356mm)のものです。惑星用として副鏡の短径は必要最小のものにしました。
主鏡支持の検討
Plopを使用して12.5インチ主鏡の光軸方向背面からのフローテーション支持を以下の仕様で解析しました。
主鏡;外径:12.5インチ(317.5mm)、口径比:5、厚さ:20mm、材質:石英
中心遮蔽:2.14インチ(54.356mm)、
9点支持の場合

p-v 1.899e-05(mm)となりました。可視光の波長555nmだとp-v λ/29.2になります。
18点支持の場合

p-v 3.083e-06(mm)となりました。可視光の波長555nmだとp-v λ/180.0になります。
9点支持でも十分な精度が得られそうですが、3角板3支持点の間(図では赤色)が凹むのが気になります。18点支持のほうは中央の副鏡の影になる部分が凹みますが、それ以外の面は平坦です。構造が複雑になりますがこちらを採用と思います。主鏡の厚さは20mmで直径/厚さの比率としては24インチ主鏡とほぼ同じです。
鏡筒が水平になった場合の側面支持による主鏡の変形量を
Dobsonian Mirror Edge Support Calculator
により解析しました。12.5インチ主鏡を解析した値は以下のようになりました。いずれもミラーの重心位置で吊るか、支持する場合です。
・180°ケーブルスリング:RMS 0.43nm
・45°ウィッフルツリー:RMS 0.516nm
・90°間隔単純支持:RMS 0.946nm
高度角が変わった場合の値については以下の説明があり高度角30度では87%の変形量とあります。
At 30° altitude the load on the edge support will be about 87% of the weight, so you will still have about 87% of the computed error. At 45° altitude this drops to 71%, and at 60° altitude you still have 50% of the computed error.
24インチミラーをケーブルスリングで吊った際の値がRMS 2.0nmでしたから90°間隔単純支持の場合でもRMS 0.946nmなので90°間隔単純支持で十分と思います。
RMS値とPV値の関係についてはPV値の1/5程度がRMS値と言われており、RMS 0.946nmはPV値4.82nmと考えるとλ/115となって十分な精度になります。
(8月5日訂正追記)
2025/07/19 土星とその衛星タイタン
7月18日に関東地方の梅雨明け宣言があり、やっと梅雨明けです。19日の夜中に起きて土星を撮りました。前夜は風が強く撮影は厳しいかと思ったのですが予報通り風は収まりほぼ快晴です。ちょうど衛星タイタンが土星の近くに見えます。タイタンの直径は5150kmで水星よりも大きな天体です。ちなみに火星の直径は6794kmです。大気に覆われていて木星の衛星のようにはっきりとした模様は見えません。公転周期15.9日で地球から見て約8日毎に土星に近づきます。

Saturn 2025-07-18 (yyyy-mm-dd), 18:10.5 UT CM I 148.0° CM II 339.9° CM III 180.9° Seeing: 7/10 Trans:4/5
24” f4 Newtonian (Dobsonian) 5x Powermate ZWO ASI585MC ADC (with Baader UV/ IR cut filter) 20.0ms, 60sec x7 30%frames stack (derotation 7 images)
快晴で透明度も高く眼視観察(5mm+ニコンEiC-16、780倍)では土星が明るく見えました。気流はそこそこです。人間の眼の特性と思いますが、環は上の画像よりも明るく見えるのでその印象にしてみました(フォトショップのシャドウ・ハイライト使用)。

画像左下に衛星タイタンです。
2025/07/10 土星
前夜は雲もあったのですが午前2時過ぎに起きると南西の空に満月近い月が残って風も無く晴れています。Windyの予想ではジェット気流は北に上がり気流は安定しているはずです。土星を24インチドブで眼視(5mm+ニコンEiC-16、780倍)観察、気流は細かなブレはありますがけっこう安定しています。カッシーニ間隙を見ることができました。眼視では衛星もいくつか見えますが、画像ではずいぶん暗くなってしまいます。

Saturn 2025-07-09 (yyyy-mm-dd), 18:35.2 UT CM I 123.1° CM II 245.2° CM III 97.0° Seeing: 8/10 Trans:3/5
24” f4 Newtonian (Dobsonian) 5x Powermate ZWO ASI585MC ADC (with Baader UV/ IR cut filter) 20.2ms, 60sec x6 50%frames stack (derotation 6 images)
土星本体右下の小さな白斑は衛星Tethysです。Firecapture使っての撮影で6月30日にはFPSが20程度だったのですが、事前に設定を確認して今回はROI=2000x1320で50程度になりました。ROIを小さくすればさらに上がるのですが赤道儀プラットホームの追尾のふらつきもあって難しいです。
その後画像を見てくれた友人から衛星Tethysが点像でなく伸びているのは衛星のデローテーションを忘れていませんかとのお話が合って、衛星のデローテーションかけてみたのですがやはり伸びてしまいました。AS!3を使っていますが、これまでAPサイズを主に72としてスタックしていました。最近APを一つ枠でも処理できるとのお話があり試しにマニュアルで一つ枠でスタックしてみました。原因はよくわからないのですが、これがうまくいったのか衛星がほぼ点像になりました。


Saturn 2025-07-09 (yyyy-mm-dd), 18:35.2 UT
24” f4 Newtonian (Dobsonian) 5x Powermate ZWO ASI585MC ADC (with Baader UV/ IR cut filter) 20.2ms, 60sec x6 60%frames stack (derotation 6 images)
Tethysがほぼ点像になりました。データは先の画像と同じですが区別して作業のために動画の60%の画像をスタックしています。(7月12日追記)
2025/06/30 土星
今年は土星の環が地球に対して真横を向くために環が見えなくなったり、細くなるのですが、土星の合が3月12日ということもあってなかなか観察できませんでした。太陽に照らされた環を裏側から見られるのが5月7日までなので、それまでに見たかったのですが家のベランダからは見づらい位置だったのが残念です。梅雨明けも近くなり、気流も落ち着いてきたので24インチドブソニアンで明け方に土星を撮りました。

土星 2025-06-29 (yyyy-mm-dd), 18:58.2 UT CM I 332.9° CM II 57.6° CM III 281.4° Seeing: 8/10 Trans:2/5
24” f4 Newtonian (Dobsonian) 5x Powermate ZWO ASI585MC ADC (with Baader UV/ IR cut filter) 20.7ms, 60sec x6 50%frames stack (derotation 6 images)
土星本体に比べて環が暗く撮れていますが、眼視(490倍)で観察すると環は画像よりも明るく見えました。気流は落ち着いていましたが、薄雲が出ていました。なぜかカメラが不調でfpsが上がらず、いろいろと試しているうちに薄明が始まってしまいました。
小接近の火星
今回の火星の接近は地球への最接近が1月12日で視直径は14.6"です。最接近の頃は気流の悪い季節に重なり解像のよい画像をほとんど撮れなかったのが残念です。18インチ(457mm)ドブソニアンで撮りましたが多くは30cmの絞りを使いました。その後、視直径がどんどん小さくなり今日(5月26日)の視直径は5.7”です。次回の接近は2年後の2027年2月20日でその際の視直径は13.8"です。当分先ですが、夏の接近が待ちどうしいです。
今年に入ってからの画像を同じ尺度で並べてみました。

2025-01-02-1413_4-U 01-14-1328_1-U 01-20-1328_9-U
全て457mm口径で撮影

01-22-1343_7-U 01-23-1210_3-U 02-10-1206_9-U
1/22、1/23は、457mm口径で撮影 2/10は457mmに30cm絞り使用

02-28-1146_8-U 03-20-1321_1-U 04-09-1239_2-U 05-14-1214_8-U
2/28、3/20は、457mmに300mm絞り使用、4/9、5/14は457mm口径で撮影
火星接近
1月12日に火星は地球に最接近、当日は撮影できませんでしたが、1月14日に18インチドブで撮影しました。それにしても冬の気流でボヤボヤです。その後何回か撮ったのですがジェット気流が上空を流れ寒波がきているこの時期なかなか良い気流には恵まれません。Φ30cmの絞りを取り付けてみたり、以前自作したアポダイジングマスクを付けてみたりしてみました。改善はそれほどみられませんがΦ30cm絞りは少し効果がありました。アポダイジングマスクは周縁の二重像改善に効果があるようにも感じますがもう少し気流の良い時期にまた試してみたいです。2月に入りどんどん火星が小さくなってくるのが残念です。

2025-01-14-1328_1-U-RGB-Mars 2025-01-20-1328_9-U-RGB-Mars
視直径14.6” 視直径14.4”

2025-01-22-1343_7-U-RGB-Mars 2025-01-23-1217_3-U-RGB-Mars
視直径14.3” 視直径14.3”

2025-02-10-1206_9-U-RGB-Mars(Φ300mm絞り使用)、左縁の白雲が他の場合よりも明瞭に撮れました。視直径12.8”
2025-02-10-1217_4-U-RGB-Mars(Φ457mm全開口)

2025-02-10-1232_7-U-RGB-Mars(apodizing mask使用)