今年は木星の赤道面を地球が真横から眺める配置になります。木星にはガリレオが発見した4個の衛星がありそのうちの3個は地球の衛星である月よりも大きな衛星です。木星の赤道面に沿った軌道上を動くこの衛星同士が重なって見えたり、衛星の影に他の衛星が入って暗くなる現象が6年ぶりで見られます。今年の木星の衝は8月20日で、8月には何回かの衛星相互食が好条件で見られます。
日食、月食はどちらも食がついていますが、掩蔽(えんぺい)と食には違いがあり、衛星同士が重なるものを「掩蔽」、衛星の影に他の衛星が入る現象を「食」というそうです。
惑星写真の画像処理でお世話になるWinJUPOSですが、惑星のアニメーション作成機能があります。観測者のために公開されているソフトなので8月の衛星相互食の様子を模擬してみました。
8月9日にガニメデがエウロパを掩蔽するのが見られます。アニメーションの中の時刻は世界時なので日本では9時間をプラスして8月9日の午前3時頃です。残念ながら台風が近づきそうです。気流もお天気も良くないかもしれません。
8月16日の0時頃から02時頃にかけて木星の表面でガニメデによるエウロパの掩蔽と食が見られます。ガニメデの次に大きな衛星カリストも左上に見えます。ガリレオ衛星がこれだけ集まって見られる機会は滅多に無さそうです。
8月22日の23時頃からガニメデによるエウロパの掩蔽が見られます。
木星の座標は南を上にしました。緯度、経度は神奈川県内の区切りの良い数値にしています。
残念ですが、8月9日、8月16日ともに雨模様で相互食を見ることができませんでした。8月22日に期待しますが23日深夜にガニメデの影によるエウロパの部分本影食が見られます。(8月17日追記)