ERNST LEITZ 8x30 双眼鏡の分解、その2
その後、対物レンズ鏡筒を分解しました。ボディーからのレンズ鏡筒の取り外しは容易でしたが、鏡筒から対物レンズ室の取り外しには苦労しました。

上左から飾り環、対物レンズ鏡筒(右鏡筒)
下左から対物レンズ室押さえ環、偏心環、対物レンズ室

対物レンズ室の偏心環構造、油土を清掃して押さえ環を外したところ
芯だしのためにレンズ室は偏心環構造になっているのですが、偏心環の位置を最も偏心量の少ない位置に回さないとレンズ室側面の段差が引っ掛かりレンズ鏡筒から外れない構造です。まず押さえ環を外して偏心環の位置をずらさないといけませんが、油で固着していて位置をずらすのは簡単ではありませんでした。専用工具を作るとよいのですが、簡単ではなく、すり割りが一か所しかないリングを回して固定するのに手間取りました。

対物レンズはアルミ合金製のレンズ室にレンズ室の端部周縁を加締めて固定されています。分解作業のための油が染みたためか、原因はよくわかりませんがレンズ内側周縁の表面が少し青ヤケしていました(右側対物レンズのみ)。
接眼レンズもそうですが、加締めによる構造が多用されています。軽量化のためでしょうか、各部は薄肉でとても精密に加工されています。対物レンズ鏡筒の遮光筒は茶色っぽい色をしていますが厚さは0.3mmしかありません。内側は黒塗りされていましたが清掃の際に少し剥がれました。

右側の対物レンズ鏡筒、遮光筒(厚さ0.3mm)




プリズムですが左鏡筒は曇りやカビは無くそのままにしました。右鏡筒は2個のプリズムが重なる間の面にわずかのカビがあって対物側に取り付けられているプリズムを外して清掃、透過光ではほとんど見えない程度、反射光で見ると痕跡が分かる程度に清掃できました。接眼側のプリズムは固く嵌っていたので無理に外さず(側面を加締めて固定しているので破損が怖い)そのまま清掃しました。


右鏡筒の接眼レンズですが、視度調整のためのねじがひどく固着していて何度も温めたり油を浸透させたりしたため油がまわってしまいました。中性洗剤では固着した油がとれずシンナー(油性の溶剤はお薦めできませんが)も使って拭きとりました。左鏡筒の接眼レンズはきれいな状態のため分解せず前後のレンズ表面を拭いただけです。
2-2-2の3群6枚レンズの構成ですが対物側からの2群は側面を見ると断面図のように2枚貼り合わせ構造であるのがわかります。接眼側の1群2枚レンズは金枠に加締めてあり外せませんでした。



組みあがった右側接眼レンズ、対物側は凹面、眼側は凸面です。

右側接眼レンズと視度目盛環、目当て、羽根、固定環

左右の接眼レンズと羽根、焦点調整ねじ軸