星めぐりの道具箱

望遠鏡作り、双眼鏡、惑星撮影など

主鏡運搬箱と主鏡の組み込み方法

ドブソニアンが小型の場合にはミラーボックスと主鏡を一体で運べばなんの問題もないのですが、大きくなると扱う重さが厳しくなります。18インチドブソニアンの場合には主鏡を含めたミラーボックスの重さが26kgでした。なんとか一人で持ち運べる重さです。24インチでは主鏡自体の重さが23kgなのでミラーボックスに組み込んだ状態では一人で持ち上げるのが難しくなります。我が家は小さな家なのでガレージに望遠鏡を置いて車輪付きの台車やハンドルで転がして移動することは難しく各部品に分解して運べる構造にしました。主鏡単体を手で持ち運ぶ作業は主鏡を汚したり傷つける可能性があるので洗浄や保管に際してもできるだけ運搬箱に入れた状態で行えるようにしたいと思って設計しています。昨年ここまで作っていたのですが、まだ細かな部分が残っています。

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運搬箱は枠体で写真のように1.5mm厚のアルミ板(肉抜きした曲げ板は図面を描いて「株式会社かねよし」に製作してもらいました)とアングル材で構成しています。主鏡の底面四隅にテフロン板が当たり運搬時には保持します。ワイヤーによる側面の支持や抜け止めの構造もこの枠の中に組み込む予定です。写真の枠体のみでの重量は1.9kgですが、側面支持構造や各部の蓋、取っ手など含めるともう少し重くなりそうです。目標は主鏡(23kg)含めてケースに入れた状態で26kg以下です。

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溶接という方法もあったのかもしれませんが、ビスで各部品を固定しています。枠体の大きさは680mm×680mm×厚さ100mmです。

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置いてあるのは絞り板を作った際の残材で外径がΦ608mmで24インチ主鏡のちょうどよいダミーになりました。

ミラーボックスへの主鏡の取り付けは主鏡運搬箱含めての取り付けを考えています。ミラーボックスは後ろ側(写真では向かって右側)の側面は構造が弱くなりますが開けています(弱くなった構造はアングル材で構成した下部トラス枠で補強する考え)。主鏡運搬箱をここから引き出しのように差し込むか、又は上からゆっくり落とし込む構造です。このあたりは実際に作ってどのように組み立てるのが良いか試します。差し込む場合にはスライドする際に主鏡底面を保持する27点フローテーション構造を避ける必要があります。保持構造を下げるのは光軸が狂い易そうなので、レールを両側に設けて浮かしてスライドして降ろすことも考えています。

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トラス下枠をはめ込んだ状態です。トラス下枠はミラーボックスへ4隅で着脱可能に固定する予定です。

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トラス下枠の裏側にはミラーボックスに嵌る木枠を作りました。材料は捨てる予定だった洋服かけの木枠です。