星めぐりの道具箱

望遠鏡作り、双眼鏡、惑星撮影など

2023/7/30 土星、木星

梅雨も明けこのところ晴天とものすごい暑さが続いています。気流も安定していて撮影と思っていたのですが、やっと撮ることができました。

Saturn    2023-07-29-1824_3 (UT)  Seeing: 7/10   Trans:3/5

CM I 324.5°   CM II 12.1°   CM III 1.4°     

24” (610mm) f4 Newtonian (Dobsonian)  5x Powermate ZWO ASI585MC  ADC  (with Baader UV/ IR cut filter)  20.4-ms, 60sec x8, 30%frames stack (derotation 8 images)   

気流は前回撮った7月17日並みにはよくありません。鏡筒トラスに遮光のシュラウドを巻いてみました。撮影時には前夜からの風が収まらず微風があり像が揺れました。

Jupiter  2023-07-29-1904_6 (UT)   Seeing: 7/10   Trans:3/5

 CMⅠ 236.1°  CM II 36.0°  CM III 48.0°

24” (610mm)  f4 Newtonian (Dobsonian)  5x Powermate  ZWO ASI585MC   (with Baader UV/ IR cut filter, ADC)     12.3 ms, 60sec x4, 50% frames stack  (derotation 4 images)    
木星は高度が高く気流は安定するはずですが、屋根の軒がすぐそばにあります。昼間強烈に温まって影響したかもしれません。

 ASI585MCで最大画角で使用しています。FPSが上がらず現状では木星の場合25フレーム/秒程、土星は45フレーム/秒程です。赤道儀プラットホームの構造にも関連しますが、駆動のふらつきを小さくして画角を小さく設定しFPSを上げたいところです。

2023/7/17、7/18 土星、木星

梅雨明け宣言はまだありませんが、ものすごい暑さです。7月17日と18日の明け方、暗いうちに起きて土星とこの夏初めての木星を撮りました。

Saturn 2023-07-16-1854_1 (UT)  Seeing: 8/10   Trans:4/5                                         

CM I 164.8°   CM II 271.7°   CM III 276.7°

24” (610mm) f4 Newtonian (Dobsonian)  5x Powermate ZWO ASI585MC  ADC  (with Baader UV/ IR cut filter)  24.9ms x4, 21.3ms x4, 60sec x8, 50%frames stack (derotation 8 images)       

土星の環の右下に衛星Tethysが写りました。気流はかなり安定していて眼視ではエンケ間隙がチラチラ見える感じです。環の開きが今シーズンはずいぶん小さくなってしまったのが残念。

 

Jupiter  2023-07-16-1911_1 (UT)  Seeing: 7/10   Trans:4/5    

CMⅠ 348.0° CM II 247.1° CM III 255.6°

24” (610mm)  f4 Newtonian (Dobsonian)  5x Powermate  ZWO ASI585MC   (with Baader UV/ IR cut filter, ADC)                 12.3 ms, 70sec x1, 70% frames stack 

木星がもう少し南側に来ると問題ないのですが、望遠鏡の接眼部が屋根に接近していて薄明が始まってからやっと今シーズン初の木星をひとコマ撮影できました。 

翌18日の明け方も撮影しましたが、気流は17日のほうが良かったです。

Saturn    2023-07-17-1817_4 (UT)  Seeing: 6/10   Trans:4/5

CM I 267.7°   CM II 343.1°   CM III 346.9°     

24” (610mm) f4 Newtonian (Dobsonian)  5x Powermate ZWO ASI585MC  ADC  (with Baader UV/ IR cut filter)  20.7ms, 60sec x4, 50%frames stack (derotation 4 images)                                                                                                                         

2023-07-17-1832_3(UT)  Seeing: 6/10   Trans:4/5

CM I 276.4°   CM II 351.5°   CM III 355.3°     
24” (610mm) f4 Newtonian (Dobsonian)  5x Powermate ZWO ASI462MC   ADC  IR (with Baader IR-pass 685nm filter)  12.9-ms, 60sec x4 50%frames stack (derotation 4 images)   

 

木星は大赤斑が中央にきていましたが、空が明るくなっていて画像のコントラストがあがりませんでした。

Jupiter  2023-07-17-1903_5 (UT)          Seeing: 6/10   Trans:4/5    

CMⅠ 294.7°  CM II 9.1°  CM III 12.9°
24” (610mm)  f4 Newtonian (Dobsonian)  5x Powermate  ZWO ASI585MC   (with Baader UV/ IR cut filter, ADC)     12.3 ms, 60sec x5, 50% frames stack  (derotation 5 images)                  

2023/6/18 梅雨の晴れ間の土星

梅雨の晴れ間に今年初めての土星です。夜中の3時に起きました。4時には薄明が始まりました。眼視ではカシニの間隙がはっきり見えないくらいの気流でしたが近赤外の画像ではしっかり写りました。

2023-06-17-1848_8 (UT)  Seeing: 5/10   Trans:2/5                                           

 CM I 154.5° CM II 118.3° CM III 158.2°     

18” (457mm) f4.5 Newtonian (Dobsonian)  5x Powermate ZWO ASI462MC   ADC  (with Baader UV/ IR cut filter)  9.9-ms, 60sec x3, 14.1-ms, 60sec x1 50%frames stack (derotation 4 images)                                                                                                                      

2023-06-17-1856_1 (UT)  Seeing: 5/10   Trans:2/5                                           

 CM I 158.8° CM II 122.4° CM III 162.4°     

5x Powermate ZWO ASI462MC   ADC  IR (with Baader IR-pass 685nm filter)  17.1-ms, 60sec x4 50%frames stack (derotation 4 images)    

気流の良くない条件では赤外光による撮影が有効です。ベランダでの撮影ですが、24インチは18インチに比べると重く大きく組み立てが大変なため、腰痛の防止もあって最近使っていなかった18インチを使いました。今日はもう夏至です。

 

この時の土星の衛星の配置を確認してみました。

WinJUPOSによるシミュレーション画像。

 

覆い焼ツールで暗い衛星を少し明るくするとかすかに見えてきました。木星ガリレオ衛星に比べるとずいぶん暗いです。

天の川

アジサイの季節になりました。一昨日大船フラワーセンターで「日本の自生アジサイ展」を見てきました。アジサイは日本原産ですが、ヤマアジサイと呼ばれる野生のアジサイが多くあるのは知りませんでした。

「天の川」

 

いろいろな色合い、形のアジサイを楽しめました。





副鏡ケージの遮光

副鏡ケージの遮光ですが、これまで簡易な遮光板を接眼部の反対側に取り付けて遮光していました。これで惑星撮影はできていたのですが、鏡筒を上に向けた姿勢で脚立にのり大きな主鏡を上から覗くとアイピースなど落下させて主鏡を傷めないか気になります。コントラスト向上にもなるので副鏡ケージ側面を遮光板で覆うことにしました。プラスチック板も検討しましたが、厚さ0.3mmのアルミ板(A5052)で作りました。「工具と金属材料の通販、コウイチロウ」から購入しました。

 

フォーカサー取り付け部を除いた円周を3分割しケージの支柱部分で継ぐ構造にしました。薄板の穴開けは、アルミ板やアクリル板と不要の木板に挟んで行いました。

フォーカサー取り付け部に接する部分は折り曲げて押さえ板を介してビス止めにします。万力に挟んだアングル材に挟んで折り曲げました。この後、各支柱にビス止めするための穴位置を仮組して確認しました。アルミ板には青い保護シートが貼られていました。

塗装を失敗しました。内側を艶消し黒に塗装したのですが、密着性をよりよくしたいと思い下塗りに以前使ったソフト99のプラサフではなく「マルチミッチャクプライマー」(ニッペホームプロダクツ製)を使ってみました。その上に「黒板用スプレー」塗料(サンデーペイント製アルキド樹脂塗料)を塗ったのですが、ありゃりゃ!写真のように亀裂が入ってしまいました。乾燥してから上塗りを繰り返しても同じです。全て剥離も考えたのですが、油性の艶消し黒色塗料を刷毛で上塗りしたところ亀裂なく塗装できました。事前に試し塗りすればよかったのですが、塗装は難しい!

プラスチック製の取っ手を設けました。上側に2か所です。

重量の増加ですが、

遮光板(塗装後):全部で700g

フォーカサー取り付け部への押さえアングル材(2本):70g

継ぎ目用アルミ製押さえ板(t2×30×328、2枚):100g

取っ手(2個):110g

以上の合計:980g

取り付け用のビス類は含めていません。

トラス支柱の熱収縮チューブへの対応もありますが、カウンターウエイトをさらに追加です。

 

トラス支柱の黒色化

24インチ望遠鏡のアルミパイプのトラス支柱ですが、反射光が像のコントラストを低下させていないか気になります。黒い熱収縮チューブを被せることにしました。少し重くなりますが持った際の感触が冷たくないのとぶつけた際のガチガチ音も小さくなりそうに思います。

熱収縮チューブは米国アマゾン経由でポリオレフィン樹脂製、長さ6m、内径40mmのもの3個を購入しました。

Cloudy Nights のフォーラムの記事( Dob trusses shrink wrapped )で紹介されていたものです。

品物は米国アリゾナ州のTucsonからの発送で5日ほどで届きました。早い!、中国製です。

ヒートガンでトラス支柱一本につき20分くらいの作業時間です。きれいに縮ませるにはけっこう時間がかかりました。

反射光を見ると艶消しでいい感じです。

熱収縮チューブの先端は、はさみでカットして接続部品を組付けました。

熱収縮チューブの重さは測ってみると340g/6040mmでした。厚さは0.4mm程です。長手方向の収縮はほとんどなかったので支柱長さ1680mmで計算すると8本で合計757gの重量増になります。この倍くらいのカウンターウエイトをミラーボックス下部に追加する必要があります。

 

 

WinJUPOSによる衛星のデローテーション

自転により回転していく惑星の画像を巻き戻して重ね合わせることができるWinJUPOSは高解像の画像作りにはとてもありがたいソフトです。惑星の衛星のデローテーションにはこれまで対応していなかったのでどうしても衛星はずれてしまいました。最近これができるようになったとのことで最新版のWinJUPOSに更新して試してみました。ダウンロードしたのはバージョン12.2.4で1月28日に更新されていました。

昨年9月13日に撮影した最高に近い気流条件の木星画像で試して見ました。

使い方はHelpページのDe-rotation of imagesに載っていて、そこにMasking radiusが衛星本体やその影よりも大きいこととあります。どうやってMasking radiusを設定するのかよくわからず、とりあえずいつものようにImage measurement - Adjustment of imageのoutline frame を決めました。なんとか衛星を囲む程度です。

「Masking radius、 勝手に輪郭線のようなものができると思っていたのですが、Helpの説明にはそこにある説明図についてこのような輪郭線の図ができるとは書かれておらず、説明のためだけの図のようです。そう理解したら問題は解決しました。outline frame とMaskinng radius  の図がなにか関係があるのかと誤解していました。

ピクセル数を指定するのでイオの直径に対して5ピクセルがどの程度になるのか計算してみました。カメラ(ZWO ASI585MC)ピクセルサイズ:2.9μm、望遠鏡の合成焦点距離:14600mm、この値から1ピクセル当たりの角度は0.041秒角になります。イオの視直径を1.15秒角とするとイオの直径に対して5ピクセル(0.205秒角)は約18%です。説明図の感じだともう少し大きくして元の10ピクセルでもよさそうです。」(2月1日追記)

 

次にToolsのDe-rotation of imafesをこれまでと同様に設定しますがその際にOptionsを開いて以下のCorrection of the planetary moons and their shadowsにチェックを入れます。Masking radiusは当初「10」ピクセルと入っていましたがとりあえず「5」にしてみました。Optimaze image measurementsにはチェック入れて試してみましたが衛星がブレたのでチェックはいれていません。

 

衛星のデローテーションを行っていない画像

衛星のデローテーションを行った画像(7651枚の30%をスタック、 derotation 6 images)。

2022-09-13-1351_8 (UT)  Seeing: 8-9/10   Trans:2/5  CM I 117.9° CM II 193.4° CM III 120.4° 

610mm f4 Newtonian (Dobsonian)  5x Powermate ZWO ASI585MC  ADC  (with Baader UV/ IR cut filter)  9.9-ms, 60sec×6, 30%frames stack

衛星がしっかり止まってすばらしいです。Ioのほうはoutline frameをほぼ衛星を囲むようにできましたが、Callistoは画像によっては少しはみ出しました。特に問題なく画像処理できました。衛星の明るさは後から補正しています。

 

IoのWinJUPOSシミュレーション画像       Ioの拡大画像